クライアントさんから、データ分析に関して、本当によく受ける
ご相談内容の1つが、
「データ分析を自分でしてみたけれど、何も読み取れないし、
結果からどうアクションをとればいいのかわからない。」
というコト。
これは、データ分析がただの数字の羅列に終わってしまって
いるからなのです。
例えば、今年11月の1ヶ月間、あるドラッグストアで、
カード会員さん全員うち何割がファンデーションを買っているのか、
またファンデーションの中のどのブランドを買っているのか、
という「購入率」を出す場合に、
単純に「ファンデーション購入率30%」、そして
「ブランドA購入率20%, ブランドB購入率16%」という数字が
並んでいる表のみ作成している場合がかなり見受けられます。
これだけだと「11月はAはBより購入率が4ポイント高い」という事実
のみしか分らず、
それ以上の状況は全く読み取れません。
この解決方法の1つとして、「時間」という軸を一つ設けます。
1ヶ月前、3ヶ月前、半年前、1年前と比べて、
そのA,Bブランドそれぞれ購入率に変化はあったかを比べると、
実はブランドAは1年前の購入率が
50%だったのに、それ以降ずっと購入率が減少しており20%の今に至り、
反対にブランドBは半年前に新発売されたばかりだが、月を追うごとに
購入者が増え現在は16%にまで到達していた。
という経過が把握できるわけです。
ここまで分れば、ブランドAの売り方や置き場所や価格などに
問題があるのでは、という仮説が立つので
更に具体的なこれまでの価格設定や販促内容を見直すと
いうアクションに結びつけることができます。
このような「ものさし」を持つことで、一見意味のなさそうな
数字の羅列も貴重な「情報」に転換させることができるわけです。
「時間」のほかにものさしとしては「同規模の他の店」を用いる
こともあります。
あるいは、市場データや政府機関の発表するデータなども
ものさしとして使えます。
スーパーマーケットのFSPデータ分析で、私がよく用いるのは
総務省の「家計調査」データです。
データを読み取ることで、どんな問題を解決したいのか
をまず最初に考えて、
それから比較が可能な「ものさし」を用いてデータ分析を行う
ことが「データ読み取り上手」への近道ではないでしょうか。
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